Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
それを見た金五郎は、徳利の紐を口にくわえると、かたわらの桜の大木の幹を、するすると、よじ登った。またたく間に、高い梢に、猿のように、腰をおろした。
「やい、腰抜け、降りて来やがれ」
下から、呶鳴るのに、
「斬られに、誰が降りるもんかね。まあ、そう騒がんと、一杯、おあがり」
金五郎は、笑いながら、徳利をさかさにして、眼下の暴漢たちの頭から浴せかけた。撩乱と咲きみだれた桜の間を縫って、黄金色の滝がながれ落ちる。悪漢たちは酒に濡れて、飛び散った。
石を拾って、投げあげはじめた。みんな見当が狂っている。命中弾があると、金五郎は、徳利で受ける。コンと音がして、落ちて来た弾丸が、暴漢たちの頭に当たる。
「喧嘩じゃ。喧嘩じゃ」
と、弥次馬が、もう、だいぶん、集まっていた。そして、奇妙な喧嘩をながめて、げらげら笑った。
神社裏で、花見宴を張って、金五郎の来るのを待っていた玉井組の連中も、やっと、これに気づいた。かけつけて来た。彼等は喧嘩の見物や、仲間入りをする気はなかったのだが、桜の木のてっぺんにいる金五郎が見えたので、びっくりしたのである。
「六ゾロの源」、大川時次郎、「ノロ甚」