Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
「鬼」は、せせら笑って立ちあがった。大股で、悠々と帰って行った。
「お父っあん、すみません」
「マン坊、なあに、心配はいらん。お父っあんが、よう知っとる」
マンは、わっと泣き伏した。
善助は、罰金を収めるために、岡山に向かって、出発した。二円五十銭といえば、科料としては最低であったが、収めに行くのが大変である。大旅行といってよい。広島の山奥から、谷をわたり、山を越え、幾日も泊りを重ね、やっと、鉄道のあるところまで出て、汽車に乗る。岡山市にたどりつき、裁判所に、科料金を納入すると、また、同じコースを引きかえす。罰金の数倍の費用を使い、善助が、村に帰りついたのは、家を出てから十三日目であった。
善助は、疲れた顔も見せなかったが、日ごろ愛用していた鉈豆煙管、タバコ盆、タバコ入れ、等を、くるくると、油紙につつんで、仏壇の下の物入れにつっこんでしまった。
イワが、妙な顔して、
「あンれ、お父っあん、どがあに、しんさったな? 好きな煙草を、押しこんでしもうて……」
「おれが煙草を吸うもんじゃけえ、マン坊が心配して、罪をおかすようなことをする。今日かぎり、ふっつりとやめた」