Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
しかし、それも瞬間で、土の上に落ちた鯛は、犬の泥足に踏まれ、口に銜えられた。ひろい皿が投げすてられ、大きな音を立てて、微塵に砕けた。
そういう動作が、すべて、金五郎への当てつけに行われたものであることは、一点の疑う余地がない。久八が、大声で、ピスを呼んだのも、わざわざ、金五郎へ聞えるように仕向けたのである。
しかし、金五郎は、なにもいわず、無言で、その場を去った。
(吉田磯吉という親分は、もうすこし、増しな侠客かと、思うて居ったんじゃが……)
腹立ちや、憎しみよりも、心の底から、軽侮の念だけが、湧くのだった。そうすると、心も軽くなって来る。相手が立派でないとわかれば、問題にするに足りないのである。解放されたような気持だ。口笛が吹きたい。
俄かに、軽い足どりになった金五郎は、「今ごろは、半七ッあん、どこに、どうして、ござろうぞ」と、口三味線で、義太夫を口吟みながら、「飛鳥」の方向へ、足を向けた。
森新之助の顔を見ると、金五郎は、仏頂面になって、
「新公、今日は、すこし、こみ入った話をしに来たんじゃ」
と、いった。
「そうか。こっちからも、こみ入った話がある。