Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
勝則は、頭をたれて、判決を待った。
便箋に五六枚、びっしりと細い字で書き埋められた長たらしい手紙を、法律家原田雲井は、梅干を噛んだような、鹿爪らしい顔で読む。ときどき、フン、フン、と、鼻を鳴らす。うなずく。小首を傾ける。前の方を読みかえしたり、二枚ならべて照合したり、まるで、裁判の証拠書類でもしらべているような調子だ。
やがて、読み終ると、ためいきのような、嚏のような、妙な咳を、一つした。それから、手紙を、机のうえに、一枚目から、ずらりと、順に横にならべて、
「勝則君、わかった」
と、顔に反動をつけて、いった。
どう返事をしたらよいかわからないので、黙っていると、
「この、二枚目に書いてある、光丸という芸者に、あんた、惚れとるとじゃろ?」
むきつけな言葉に、どぎまぎしたが、仕方なしに、
「はあ」
「光丸君の方も、あんたに、惚れとるじゃろ?」
「……ええ」
「真剣なのじゃな?」
「はあ」
「四枚目に、光丸君はもう妊娠しとると書いてあるが、あんたの子に相違なかろうな?」
「相違ありません」
「よろしい」原田雲井は、どすんと、机のうえを叩いた。「問題なか。惚れた同士、夫婦になるがよかたい。