Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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はなとりゅう

花と龍

火野 葦平

Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate

Aozora Bunko

わしが親父に話してあぐる。なに、藤本組との縁談を破談にするくらい、わけも屁もなか。まだ、口約束だけで、結納を取りかわしちゃ居らんらしいけん、そげん、むずかしか問題も起るまい。……玉井さんは、東京から、いつ、帰るな?」

「もう、二三日と思いますが……」

「帰ったら、じき、逢うてあぐる。……勝則君、白状するが、わしの家内も恋女房でな、若いころ、いろいろ、あったとばい。どっちも、爺婆になってしもうたばって。……そげんいやあ、あんたのお父ッあんと、おッ母さんも、昔、好きあうて夫婦になりござったごたる。あんたのことも、わかってくれるさ」

「よろしく、お願いします」

「大船に乗った気で居らっしゃい。……あ、家内が帰って来たらしいな」

裏口の戸が開いて、原田夫人が入って来た。台所に、買い出して来たいろいろな物を置き、座敷に上った。

「これは、勝則さん、いらっしゃい」

「お邪魔しとります」

夫人は大柄で、風貌がどこか亭主に似ているので、「布袋夫婦」などといわれていた。

「なにもなかばって、林檎でもむきまっしょ」

「いいえ、もう、お暇しますから……」

「今、そこの角で、おッ母さんにお逢いしましたばい」