Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
暗くてわからなかったけれども、そういう金五郎の顔には、悲しげな自嘲の表情が湧いたように思われた。
労苦が酬われて、次第に、社会的地位が出来、責任のある立場に就くようになったとき、金五郎をもっとも悲しませたものは、無学であった。少年のころ、ただ、腕白にまかせ、朝、学校に行くといって、弁当とカバンとを持って、家は出ても、山や川ばかりに行って遊んだ。持って生まれた取るに足らぬ能力を過信し、学問を軽蔑したのである。
「学問なんて、要らん。腕と力とさえありゃ、龍になって、昇天することが出来る。物識り馬鹿ちゅうものもある。そんなものにはなりとうない」
そして、裸一貫、営々と働いて、生活の基礎を築きあげたのである。けれども、そのときになって、金五郎は、思いがけぬ障壁に突きあたったのである。文字を知らず、知識に乏しく、恥をかくことばかりが続いたのであった。
――彫青と、無学。
二つの地獄の中で、呻吟した。
無学はマンも同様で、夫婦は、「どんなに貧乏しても、質八置いてでも、子供たちに、学校だけはさせてやろうな」と、口癖に話しあった。
市会議員に推挙されたときも、躊躇したのであるが、沖仲仕の代表、働く者の味方という意味で、断わりきれずに、立候補した。