Classici giapponesi con furigana
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はなとりゅう
花と龍
火野 葦平
Leggi 花と龍 (はなとりゅう) di 火野 葦平 (ひのあしへい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 410.131 caratteri · 824 schermate
そして、玉井さんが、大嵐の晩、角助の一味に斬られて、大怪我をなさったとき、あきらめて、東京へ帰って来たのです」
お葉は、ちょっと、口を噤んだ。袂から、塵紙を出して、洟をかんだ。
マンは、お葉が泣いているのではないかと思ったが、相手の感傷に釣られてはならぬ、と、気持を堅くし、さらに、お葉の言動に注意した。しかし、そのマンの方に、一つの感傷があった。
(うちの人が斬られて、生死の巷をさまよっていたとき、あたしは、毎朝、この蛭子神社に日参したのじゃが、お京さんも、同じように、一心こめて、「お百度」踏みに来とったんやわ)
横恋慕をしていた、腹の立つお京とはいえ、そういう、女としての愛情の真実さには、マンも、心の奥底で同感をおぼえている。そして、長い年月が経ってみると、感謝に似た気持にさえなっているのだった。
蛍が一匹、噴水の霧を横ぎるようにして、大榎の梢たかく、消えた。
「母は」と、お葉は、また、つづけた。「それから、出たらめになりました。酒、バクチ、カッパライ、喧嘩、そして、男。……母の男狂いをいうことはつらいのですけれども、母は、まるで、俄盲目にでもなったように、相手かまわず、どんな男とでも関係を結んで、放埒三昧という体たらくになりました。