Classici giapponesi con furigana
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わかきひのせっつのかみ
若き日の摂津守
山本 周五郎
Leggi 若き日の摂津守 (わかきひのせっつのかみ) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 23.437 caratteri · 47 schermate
永井民部は立っていった。
藩主の行列には飾り道具がある。領内のことだから略式だが、槍だけは必ず立てるしきたりで、その日もむろん立てて来たし、ここへ着いてからは仮屋の前に立ててあった。重臣たちは重太夫を見た。光辰の常にないようすが訝しかったのであろう。重太夫は軽侮したように唇で笑い、「童児がだだをこねているにすぎない」と云って、平然と盃をあげていた。
民部が槍を持って戻った。飾り道具ではないから短い、柄は六尺二寸の檳榔樹で、手槍というのに類するだろう、穂は十文字になっていた。――光辰はその槍を受取ると、座を立って上段の端へ進み、重太夫、と呼びかけた。急に一座がしんとなり、重太夫は盃を置いて坐り直した。
「重太夫」と光辰が云った、「ほかの者も聞け、侍の心得として、君辱しめらるれば臣死す、ということがあるようだ、知っているか」
「殿」と重太夫がするどく咎めた。
「知っているか」と光辰が云った、「図書はどうだ、吉太夫はどうだ、知っているかいないか、――民部、そのほうはどうだ」
「おそれながら」と民部が答えた、「侍としてその心得を知らぬ者はないと存じます」
「よし」