Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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くしんのがくゆう

苦心の学友

佐々木 邦

Leggi 苦心の学友 (くしんのがくゆう) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.732 caratteri · 332 schermate

Aozora Bunko

昼間だからむやみに強い。

翌々日、正三君は暮れから正月の三ガ日へかけて、久しぶりで家へ帰ることになった。実は試験がすんで、冬休みになり次第と思っていたのだが、照彦様がはなさない。もう一日もう一日とひき止める。

「照彦や、わがままもいいかげんになさいよ。内藤さんのお父様お母様は私をどんなにか勝手な人だろうと思って、きっと怨んでいらっしゃいますわ」

とお母様がおっしゃった。照彦様はようやく納得して、

「それじゃ内藤君、お乳を飲んできたまえ」

といった。

「はあ」

「飲みすぎると赤ん坊になってしまうから、四日に帰ってきたまえ」

「はあ」

と正三君は争わない。なんといわれても帰られればいいと思っていた。

「きっとだよ」

「はあ。元日にはお年賀にまいります」

「うむ。待っている」

「四日の朝早く帰ってまいります」

「そうしてくれたまえ。お母様、僕、今日内藤君のところまで送ってゆきます」

「それもよろしいでしょう」

とお母様はお許しくだすった。内藤君はご機嫌のかわらない中にと思って、すぐに支度をしてしまった。

その昼すぎに、正三君と照彦様を乗せた伯爵家の自動車が内藤家の門前に止まった。