Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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くしんのがくゆう

苦心の学友

佐々木 邦

Leggi 苦心の学友 (くしんのがくゆう) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.732 caratteri · 332 schermate

Aozora Bunko

まずいんです。申しあげるほどのものではございません」

と照彦様はごまかした。まさか先生の頭だとはいえない。

「それでは一つご伝授申しあげましょうか?」

「どうぞ」

「私のは少しむずかしいかもしれませんよ。曰く、王者にして、その声天地にあまねく、その姿得て捕捉すべからず」

「先生、大変むずかしいです」

「やさしく申しあげます。その声天地にあまねく、その姿捕捉すべからざる王者」

と安斉さんはいいなおしてもほぼ同じだ。元来人間がむずかしくできている。

「そんに長いものですと、富田さんが及第にしてくださいません」

「それではもっと通俗啓蒙的に表現いたしましょう」

「先生、むずかしくなるばかりでございましょう」

と正三君が笑いをしのんだ。安斉先生はしばらく考えた後、

「それではこういたしましょう。国のはてまで声のとどく王様」

「ははあ」と照彦様も今度は文句だけわかった。

「国のはてまで声のとどく王様。いかがでございますか?」

「それぐらいの長さならちょうどいいんですが、どういう意味でございますか?」

「まあ、お考えになってごらんなさい。内藤君も一つ」

「はあ」

「国のはてまで声のとどく王様ですぞ。