Classici giapponesi con furigana
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くしんのがくゆう
苦心の学友
佐々木 邦
Leggi 苦心の学友 (くしんのがくゆう) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.732 caratteri · 332 schermate
さて学期初めの問答に戻る。
「照彦様」
「なんだい? うるさいじゃないか?」
「僕、若様のおっしゃるとおりです」
「なにが?」
「帰りません、帰るというのはおどかしです」
「みたまえ」
「そのかわり今年からはがんばります」
「がんばる?」
「はあ」
「今までだってずいぶんがんばっているよ、きみは」
「もっとがんばります。僕はもう逃げないで、いつまでもお側にいてご忠義をつくします」
「どんな忠義だかいってみたまえ。まちがった忠義じゃ迷惑する」
「安斉先生と同じ忠義です」
「安斉先生は昔の人だから、いろんな忠義をつくしている。どの忠義だ?」
「若様が元日のご決心どおりご勉強なさるようなご忠義です」
「ふうん」
「いけませんか?」
「きみはその忠義をつくしにきたんだから仕方がない。しかしもし僕が勉強しなければ、どうする?」
「さあ」
「帰るんだろう? やっぱり」
と照彦様は実はこれが一番こわいのだ。
「いや、帰りません」
「それじゃ約束したまえ」
「帰らないお約束でございますか?」
「うむ。僕がどんなわがままをいっても帰らないって」
「帰りません。お約束します」
「僕はおこったとき『帰れ』っていうかもしれない。