Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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くしんのがくゆう

苦心の学友

佐々木 邦

Leggi 苦心の学友 (くしんのがくゆう) di 佐々木 邦 (ささきくに) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.732 caratteri · 332 schermate

Aozora Bunko

「なんです」

と正三君は初めて答えた。

「用があるからちょっとこい」

「僕はきみに用はありません」

「まあいいからこい、いい話があるんだ」

と堀口生は正三君の腕をつかまえて、小使い部屋の後ろへ引っぱっていった。

「どういう話ですか?」

「そうこわい顔をするな。きみと仲よしになってやる。上級生にいじめられたら、おれのところへいってこい」

「そんなことはどうでもいいです」

「きみはおれを信用しないのか?」

「…………」

「おれだってわるい人間じゃないぞ。お母さんも叔父さんもそういってらあ。先生がむやみに叱るものだから、わざとあばれてやるんだ。少しは同情してくれ」

「…………」

「おれは学問ができない。きみは府立からきた秀才だそうだ。それできみはおれをばかにしているのか?」

「そんなことはありません。僕はだれでも同じです」

「それはありがたい。ほんとうに同じか?」

「同じです」

「よし、同じなら相談があるんだ」

「なんですか?」

「きみは花岡の家来だ。この間高谷と細井を花岡のところへ遊びにつれていった。おれもつれていってくれ。頼む」

「あれは僕がつれていったんじゃありません」

「でも一緒に帰っていったじゃないか? おれは見ていたぞ」