Classici giapponesi con furigana
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かつしかみやげ
荷風随筆集(上)
永井 荷風
Leggi 荷風随筆集(上) (かつしかみやげ) di 永井 荷風 (ながいかふう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 133.224 caratteri · 269 schermate
門の前には竹矢来が立てられて、本堂再建の寄附金を書連ねた生々しい木札が並べられてあった。本堂は間もなく寄附金によって、基督新教の会堂の如く半分西洋風に新築されるという話……ああ何たる進歩であろう。
私は記憶している。まだ六ツか七ツの時分、芝の増上寺から移ってこの伝通院の住職になった老僧が、紫の紐をつけた長柄の駕籠に乗り、随喜の涙に咽ぶ群集の善男善女と幾多の僧侶の行列に送られて、あの門の下を潜って行った目覚しい光景に接した事があった。今や Dmocratie と Positivisme の時勢は日一日に最後の美しい歴史的色彩を抹殺して、時代に後れた詩人の夢を覚さねば止むまいとしている。
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安藤坂は平かに地ならしされた。富坂の火避地には借家が建てられて当時の名残の樹木二、三本を残すに過ぎない。水戸藩邸の最後の面影を止めた砲兵工廠の大きな赤い裏門は何処へやら取除けられ、古びた練塀は赤煉瓦に改築されて、お家騒動の絵本に見る通りであったあの水門はもう影も形もない。
表町の通りに並ぶ商家も大抵は目新しいものばかり。以前この辺の町には決して見られなかった西洋小間物屋、西洋菓子屋、西洋料理屋、西洋文具店、雑誌店の類が驚くほど沢山出来た。