Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

Leggi 虞美人草 (ぐびじんそう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.559 caratteri · 401 schermate

Aozora Bunko

「そんな論理があるものか。動こうとすればこそ愛嬌も必要になる。動けば反吐を吐くと知った人間に愛嬌が入るものか」

「いやに詭弁を弄するね。そんなら僕は御先へ御免蒙るぜ。いいか」

「勝手にするがいい」と甲野さんはやっぱり空を眺めている。

宗近君は脱いだ両袖をぐるぐると腰へ巻き付けると共に、毛脛に纏わる竪縞の裾をぐいと端折って、同じく白縮緬の周囲に畳み込む。最前袖畳にした羽織を桜の杖の先へ引き懸けるが早いか「一剣天下を行く」と遠慮のない声を出しながら、十歩に尽くる岨路を飄然として左へ折れたぎり見えなくなった。

あとは静である。静かなる事定って、静かなるうちに、わが一脈の命を託すると知った時、この大乾坤のいずくにか通う、わが血潮は、粛々と動くにもかかわらず、音なくして寂定裏に形骸を土木視して、しかも依稀たる活気を帯ぶ。生きてあらんほどの自覚に、生きて受くべき有耶無耶の累を捨てたるは、雲の岫を出で、空の朝な夕なを変わると同じく、すべての拘泥を超絶したる活気である。古今来を空しゅうして、東西位を尽くしたる世界のほかなる世界に片足を踏み込んでこそ――それでなければ化石になりたい。