Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぐびじんそう

虞美人草

夏目 漱石

Leggi 虞美人草 (ぐびじんそう) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 198.559 caratteri · 401 schermate

Aozora Bunko

乏しい星は雲を潜って向側へ抜けそうに見える。綿のなかに砲弾を打ち込んだのが辛うじて輝やくようだ。静かに重い宵である。小野さんはこのなかを考えながら歩いて行く。今夜は半鐘も鳴るまい。

十五

部屋は南を向く。仏蘭西式の窓は床を去る事五寸にして、すぐ硝子となる。明け放てば日が這入る。温かい風が這入る。日は椅子の足で留まる。風は留まる事を知らぬ故、容赦なく天井まで吹く。窓掛の裏まで渡る。からりとして朗らかな書斎になる。

仏蘭西窓を右に避けて一脚の机を据える。蒲鉾形に引戸を卸せば、上から錠がかかる。明ければ、緑の羅紗を張り詰めた真中を、斜めに低く手元へ削って、背を平らかに、書を開くべき便宜とする。下は左右を銀金具の抽出に畳み卸してその四つ目が床に着く。床は樟の木の寄木に仮漆を掛けて、礼に叶わぬ靴の裏を、ともすれば危からしめんと、てらてらする。

そのほかに洋卓がある。チッペンデールとヌーヴォーを取り合せたような組み方に、思い切った今様を華奢な昔に忍ばして、室の真中を占領している。周囲に並ぶ四脚の椅子は無論同式の構造である。繻子の模様も対とは思うが、日除の白蔽に、卸す腰も、凭れる背も、ただ心安しと気を楽に落ちつけるばかりで、目の保養にはならぬ。