Classici giapponesi con furigana
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みつのあわれ
蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ
室生 犀星
Leggi 蜜のあわれ・われはうたえどもやぶれかぶれ (みつのあわれ) di 室生 犀星 (むろうさいせい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 88.662 caratteri · 174 schermate
彼はこの話を聞いているじゅう陶器で財をほろぼすことも、痴情をもって此の人のように一生を女のために揉み消すことも、その孰方も結構におもわれた。寧ろ女のために世間や家庭から抛り出されて、正直にあがきながら死んだ方がいいかも知れない、たかの知れた名実や道義を厭々まもるよりも、ざっくばらんに好きなことをしながら、どうせ終る一生なら両足をばたばたやる子供の駄々を捏るように、この世界に屑の人間の生涯をむしりちらした方が、正直で嘘でない生き方かも知れない。
或る財力のある男はその集めた古陶で、一つの美術館を建ててそれを見る人のためにその心を養うているが、ほしい物をほしいままに蒐集できるとすれば、美術館も建てたくなるであろうし、人の心にある美のもとめ方を思いやることが出来るだろうが、そんな事は彼にはまだまだ遠いことであった。夜半にまくらを返すときにちらつくもののある間、街にそれらを見て歩いてくたびれを感じる間、まだまだ人に見てもらうための陶器なぞ、ひとつも存在しなかった。彼は自分の陶器は人に見てもらいたくないし、見せもしたくなかった。それが偶然に人に見られるなら構わないが、なるべく自分の居間の奥ふかいところに入れて、生きているあいだ一人で見入っていたかった。