Classici giapponesi con furigana
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こうじん
行人
Leggi 行人 (こうじん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 224.801 caratteri · 452 schermate
と云い出した。そうして昔し兄と自分と将棋を指した時、自分が何か一口云ったのを癪に、いきなり将棋の駒を自分の額へぶつけた騒ぎを、新しく自分の記憶から呼び覚した。
「あの時分からわがままだったからね、どうも。しかしこの頃はだいぶ機嫌が好いようじゃありませんか」と彼がまた云った。自分は煮え切らない生返事をしておいた。
「もっとも奥さんができてから、もうよっぽどになりますからね。しかし奥さんの方でもずいぶん気骨が折れるでしょう。あれじゃ」
自分はそれでも何の答もしなかった。ある四角へ来て彼と別れるときただ「お兼さんによろしく」と云ったまままた元の路へ引き返した。
十
翌日朝の汽車で立った自分達は狭い列車のなかの食堂で昼飯を食った。「給仕がみんな女だから面白い。しかもなかなか別嬪がいますぜ、白いエプロンを掛けてね。是非中で昼飯をやって御覧なさい」と岡田が自分に注意したから、自分は皿を運んだりサイダーを注いだりする女をよく心づけて見た。しかし別にこれというほどの器量をもったものもいなかった。
母と嫂は物珍らしそうに窓の外を眺めて、田舎めいた景色を賞し合った。