Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
こうじん
行人
Leggi 行人 (こうじん) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 224.801 caratteri · 452 schermate
しまいに彼は灘万のまな鰹とか何とかいうものを、是非父に喰わせたいと云い募った。
自分は彼がもと書生であった頃、ある正月の宵どこかで振舞酒を浴びて帰って来て、父の前へ長さ三寸ばかりの赤い蟹の足を置きながら平伏して、謹んで北海の珍味を献上しますと云ったら、父は「何だそんな朱塗りの文鎮見たいなもの。要らないから早くそっちへ持って行け」と怒った昔を思い出した。
岡田はいつまでも飲んで帰らなかった。始めは興を添えた彼の座談もだんだん皆なに飽きられて来た。嫂は団扇を顔へ当てて欠を隠した。自分はとうとう彼を外へ連出さなければならなかった。自分は散歩にかこつけて五六町彼といっしょに歩いた。そうして懐から例の金を出して彼に返した。金を受取った時の彼は、酔っているにもかかわらず驚ろくべくたしかなものであった。「今でなくってもいいのに。しかしお兼が喜びますよ。ありがとう」と云って、洋服の内隠袋へ収めた。
通りは静であった。自分はわれ知らず空を仰いだ。空には星の光が存外濁っていた。自分は心の内に明日の天気を気遣った。すると岡田が藪から棒に「一郎さんは実際むずかしやでしたね」