Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おやばかにゅうどうき

親馬鹿入堂記

尾崎 士郎

Leggi 親馬鹿入堂記 (おやばかにゅうどうき) di 尾崎 士郎 (おざきしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.182 caratteri · 24 schermate

Aozora Bunko

楽しかった四年間の生活が、あの閑かな、ひそやかな風景の中にたたみこまれているのだと思うと、今は運命に対する憤りもなければ、居ても立ってもいられぬような焦躁感もなく、唯、愛情を傾けつくした四年間の、愛情に悔いのない楽しい生活の記憶だけが、むしろ会う人ごとに感謝したい思いで、一つ一つ、くっきりとうかびあがってくる。

道の行きどまりに小さな祠があった。いつもは、その前を何べん通りすぎても、特に気をとめて見たこともない。しかし、私はその前にひざまずいて伏し拝んだ。本体が何だかわからぬ神様であるが、そんなことはどうでもよかった。私は心をこめて祈った。もし自分の生命を振りかえることができるならばいつなんどき召しあげられたところでいささかも悔むところはない。私は必死である。

あとで聞くと、その神社は、近頃出来たばかりで、まだ本体は入っていないということがわかったが、私にとっては、そんなことはどうでもよかった。家へ帰ると、やっと落ちついた気持で、ぐっすり眠ってしまった。夜あけがた、病院から妻の電話で、私はやっと俵的が二回の輸血によって体力を持ちなおしたことを知った。