Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちゅうもんちょう

註文帳

泉 鏡花

Leggi 註文帳 (ちゅうもんちょう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 33.770 caratteri · 67 schermate

Aozora Bunko

名代部屋の天井から忽然として剃刀が天降ります、生命にかかわるからの。よ、隣のは筋が可いぜ、はんぺんの煮込を御厄介になって、別に厚切な鮪を取っておかあ、船頭、馬士だ、お前とまた昔話でもはじめるから、」と目金に恥じず悄げたりけり。

作平が悦喜斜ならず、嬉涙より真先に水鼻を啜って、

「話せるな、酒と聞いては足腰が立たぬけれども、このままお輿を据えては例のお花主に相済まぬて。」

「それを言うなというに。無縁塚をお花主だなぞと、とかく魔の物を知己にするから悪いや、で、どうする。」

「もう遅いから廓廻は見合せて直ぐに箕の輪へ行って来ます。」

「むむ、それもそうさの。私も信心をすみが、お前もよく拝んで御免蒙って来ねえ。廓どころか、浄閑寺の方も一走が可いぜ。とても独じゃ遣切れねえ、荷物は確に預ったい。」

「何か私も旨え乾物など見付けて提げて来よう、待っていさっせえ。」と作平はてくてく出かけて、

「こんなに人通があるじゃないかい。」

「うんや、ここいらを歩行くのに怨霊を得脱させそうな頼母しい道徳は一人も居ねえ。それに一しきり一しきりひッそりすらあ、またその時の寂しさというものは、まるで時雨が留むようだ。