Classici giapponesi con furigana
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あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Leggi 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.864 caratteri · 44 schermate
「足を押えろ」と去定が云った、「薬を与えてあるが暴れるかもしれない、はねとばされないように気をつけろ」
そのとき気がついたのだが、女の両手は左右にひろげられ、手首のところを縛った紐が、それぞれ柱に結びつけられてあった。登は去定の指図にしたがって、女の両足を伸ばしてそのあいだに腰を据え、両手で双の膝頭を押えた。彼は眼のやりばに困り、顔が赤くなるのを感じた。その位置は譬えようもなく刺戟的で、滑稽なほど恥ずかしいものであった。
「眼をそらすな」と去定が云った、「縫合のしかたをよく見るんだ」
そして、腹の一部を掩っていた、晒木綿の布を取りのけた。右手に持った針は尖端が少し鉤なりに曲っており、めど(針穴)には二本よりの絹糸がとおしてある。布をとりのけると、傷口が見えた。それは左の脇腹から臍の下まで、五寸以上もあるほど大きく、創面は不規則に歪んでいた。むろん消毒したあとだろう、厚い皮下脂肪のために、傷口は上下にはぜたように口をあいていて、去定が布をとりのけたとき、少量の血が流れだし、腹部ぜんたいに痙攣が起こって、女が呻き声をあげた。すると、傷口から腸がはみ出て来た。