Classici giapponesi con furigana
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あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Leggi 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.864 caratteri · 44 schermate
二
去定はそこでぐっと唇をひき緊めた。自分の声が激昂の調子を帯びたこと、それがかなり子供っぽいものであることに気づいたらしい。だが登は、その調子にさそわれたように、眼をあげて去定を見た。
「しかし先生」と彼は反問した、「この施薬院……養生所という設備は、そのために幕府の費用で設けられたものではありませんか」
二
去定は一方の肩をゆりあげた。
「養生所か」と去定は云った、その顔にはまた嘲笑とかなしみの色があらわれた、「ここにいてみればわかるだろう、ここで行われる施薬や施療もないよりはあったほうがいい、しかし問題はもっとまえにある、貧困と無知さえなんとかできれば、病気の大半は起こらずに済むんだ」
そのとき森半太夫が来て、いまけが人が担ぎこまれた、ということを告げた。
「若い女の人夫です、普請場でまちがいがあって、腰と腹に大きなけがをしています」と半太夫が云った、「牧野さんが診たんですが、自分だけでは手に負えないから、先生に来ていただきたいと云うんですが」
去定は疲れたような顔になった。牧野昌朔は外科の専任である。登は去定を見た。
「よし」と去定は云った、「いまゆくから、できるだけ手当てしておくように云ってくれ」