Classici giapponesi con furigana
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あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Leggi 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.864 caratteri · 44 schermate
八
登はそう思い、眼をつむりながら溜息をついた。
「いいえ」とおくにが云っていた、「あたしはそうは思いません」
八
声が高かったので、登は驚いてわれに返った。
「訴人したことが悪いとか、あの人が哀れだなんて、あたしこれっぽっちも思ってやしません」とおくには強い調子で続けた、「あの人は人でなしです、自分は稼ぎらしい稼ぎもせず、あたしや子供たちが食うに困っていても、平気で遊びまわったり悪い事をしたり、そうして、お父っさんのところへ金を貰いにゆけなんて、畜生だって口には出せないようなことを云いつづけました、――それだけは云ってはいけないんです、お父っさんをあんなひどいめにあわせた当人なんですから、それだけは口にしてはならないことだったんです」
「しかしおまえは云った筈だ、いや、捉まって牢屋の苦しみを味わえば、改心するかもしれないからと、差配に云ったそうではないか」
「云いません」おくには首を振った、「差配さんにそう云えと教えられたんです、けれどあたしはそんなこと思いもしないし、お白洲でも云いはしませんでした、――正直なことを云っていいでしょうか」
「云ってごらん」と去定は頷いた。