Classici giapponesi con furigana
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あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Leggi 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.113 caratteri · 35 schermate
「自分には特にきびしい人だからね」
登はまもなく立ちあがった。
次にみくみ町へいったのは、まえの日から七日めに当る、雨もよいの午後のことであった。梅雨でもかえったように、湿っぽくむしむしする日で、六カ所回診するうち、三度めにいやなことがあった。それは日本橋白銀町の、和泉屋徳兵衛という質両替商で、四十一歳になる妻女が中風になり、半年ほどまえから診察にかよっていたのだが、去定は例のように高額な薬礼を取ってい、それを徳兵衛が不当だと思っていたらしい。診察をし薬の調合を変えて与えると、側で眺めていた徳兵衛が茶をすすめながら皮肉な顔で去定に話しかけた。
「つかぬことをうかがいますが、医は生死のことにあずからず、ということがあるそうでございますな」
「あるようだな」と去定は答えた。
「するとなんですかな」と徳兵衛はそらとぼけた声で云った、「治る病人は治る、死ぬ病人は死ぬ、医者の知ったことではない、というわけでございますかな」
「そういう意味もあるだろうね」
「するとその、藪医者も名医も差別はない、高価な薬も売薬も同じことだ、というわけになるのでしょうかな」そこで徳兵衛はわざとらしく付け加えた、「もちろん新出先生のような御高名な方はべつとしてですが」