Classici giapponesi con furigana
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ちょうじんひげのはかせ
超人鬚野博士
夢野 久作
Leggi 超人鬚野博士 (ちょうじんひげのはかせ) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 59.054 caratteri · 117 schermate
吾輩はルンペンではあるが、有閑未亡人の侍従をやっていたお蔭でソレ位のことはわかる。亜米利加の名探偵フィロ・ヴァンスみたいな半可通とはシキが違うんだ。
「……わたくし……父が御承知の通りの身の上で御座いまして……わたくし迄も世間から見棄てられておりまして……お縋りして御相談相手になって下さるお方が一人も御座いませんの」
「フムフム……尤もじゃ」
「みんな世間の誤解だから、心配する事はないと、父は申しておりますけど……」
吾輩は鷹揚にうなずいて見せた。誤解にも色々ある。とんでもない売国奴が、無二の忠臣と誤解されている事もあれば、純忠、純誠の士が非国民と間違えられる事もある。警察に引っぱられたカフェーの女給が、華族の令嬢に見られる事もあれば、いい加減な派出婦が万引したお蔭で、貴婦人と間違えられる事もある世の中だ。吾輩なんかは乞食以下の掻攫いルンペンと誤解されている世界的偉人だ……と云ってやりたかったが、折角、花のような姿をして葉巻や珈琲を御馳走してくれるものを泣かしても仕様がないと思って黙っていた。
「世間ではナカナカそう思ってくれないので御座いますの」
吾輩は今一つうなずいた。