Classici giapponesi con furigana
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えつねん
越年
岡本 かの子
Leggi 越年 (えつねん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.003 caratteri · 21 schermate
明子が言い終らぬうちに、二人はもう西側に折れて進んでいた。
「そら、あそこよ。暮に堂島らしい男がタクシーに乗ったところは」
明子が思い出して指さした。二人は今までの澄ました顔を忽ちに厳くした。それから縦の裏通りを尾張町の方に向って引返し始めたが、いつの間にか二人の眼は油断なく左右に注がれ、足の踏まえ方にも力が入っていた。
資生堂の横丁と交叉する辻角に来たとき五人の酔った一群が肩を一列に組んで近くのカフェから出て来た。そしてぐるりと半回転するようにして加奈江たちの前をゆれて肩をこすり合いながら歩いて行く。
「ちょいと! 堂島じゃない、あの右から二番目」
明子がかすれた声で加奈江の腕をつかんで注意したとき、加奈江は既に獲物に迫る意気込みで、明子をそのまま引きずって、男たちの後を追いかけた。――どうにかこの一列の肩がほぐれて、堂島一人になればよいが――と加奈江はあせりにあせった。それに堂島が自分達を見つけて知っているかどうかも知りたかった。そう思って堂島の後姿を見ると特に目立って額を俯向けているのも怪しかった。二人は半丁もじりじりして後をつけた。そのとき不意に堂島は後を振り返った。