Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おどるちへいせん

踊る地平線(上)

谷 譲次

Leggi 踊る地平線(上) (おどるちへいせん) di 谷 譲次 (たにじょうじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 168.926 caratteri · 332 schermate

Aozora Bunko

君の子供たちの教育費は一さい僕らが負担してもいい――。

空は誘惑してやまない。

飛行士の巾ひろい背中がまえへしゃがんだ。

BUMP!

機は地上をすべり出す。

――GRRRR・轟々爆々―― and then, BUMP!

BUMP!

BUMP!

BUMP!

はじめは遅く、ようやく早く、それからあせるようにくように、咆哮し呶号して機は滑走をつづける。

もう誰もそとへなぞ何らの注意をはらう人はない。みな凝結したように無言のまま、「人生の足が土をはなれる瞬間」をじっとしずかに期待している。

私は心描する――倫敦から巴里へ弧のように架けられた七色の虹の橋を。

前世紀人のえがたいその虹を踏んで私たちはいま天を渡ろうとしているのだ。

虹の橋――何という人類の夢の実現! なんという際限もない科学の征服慾!

――まるで射撃中の野砲の内部にでもいるよう、ぷろぺらと機関の音・音・音が完全に鼓膜を独占して、耳のそばで何か言われても金魚があくびしてるように口の開閉が見えるだけだ。

となりの彼女がしきりに私を突ついては前を指さす。そしてさかんに何か耳へ詰めている。

へんなことをすると思ってよく見ると、虹の橋なんかとひとり勝手に感激していて気がつかなかったが、前列の椅子の背に、なにか書いたものといっしょに一きれの綿がはさんである。