Classici giapponesi con furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Leggi 道標 (どうひょう) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 846.457 caratteri · 1672 schermate
どんなに偉いのかしらないが、さきは、若い人たちじゃないか」
浅井夫妻は、国際連盟関係でジェネ※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)に駐在している人々であり、泰造にとってはもともと儀礼的な知人でしかなかった。その人たちが、出迎えたり、ホテルの世話をひきうけてくれていることについて、人に迷惑をかけまいとする泰造が、出来るだけ予定を変更したがらなかったこころもちは、伸子に察しられた。
伸子は、多計代のそういう言葉にあいづちをうつ心持がなかった。足が冷えないように白い足袋の足の下にクッションをおき、寝室からもって来た羽根ぶとんで、動くのも大儀そうな多計代の体をくるんだ。
「ベッドに入っていらした方がいいんじゃない?」
しばらくして伸子がすすめると、多計代は故意に顔をそむけるようにした。
「さあさあ、とんだ御厄介をかけてすまなかったね、伸ちゃんも行くところがあるんなら、さっさと出かけておくれ」
「…………」
みんなが苦しむのは、多計代の不健康よりも、こういうこじれかただった。多計代の体がわるいことについて、家族のみんながもっている同情や心づかいの優しいこころに、多計代はいつも自分からつっかかってとげをたてた。