Classici giapponesi con furigana
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どうひょう
道標
宮本 百合子
Leggi 道標 (どうひょう) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 846.457 caratteri · 1672 schermate
伸子は、それらのことを思い出した。
「それだもの、ああいう女がまちがえたって、云わば無理もないわよ」
「そりゃ、ただ区別がわからないだけなら仕様がないさ。日本人だって、西洋人の国籍が見わけられるものはろくにいやしないんだから。……バカにしやがるから、癪にさわるのさ。いつだってきまっているじゃないか、ホージャに、キタヤンキ。――日本人扱いをした奴が一人だっているかい」
「…………」
キタヤンカ――(支那女)伸子は、その言葉をしずかにかみしめているうちに、この間、ホテル・メトロポリタンの薄暗い、がらんとした妙な室で会ったリン博士を思い出した。あのひとこそ、正銘の中国の女、キタヤンカであった。けれども、あのものごしの沈厚な、まなざしの美しいひとが、もの売をねぎっているわきからキタヤンカと、素子がからかわれたようなからかわれかたをしたことがあるだろうか。伸子からみると公平に云って素子には、何となしひとにからかいたい気持をおこさせるところがあるように思えた。
素子は、タバコの灰をおとすときだけ灰皿のおいてある机のところへよるだけで、いかにも不愉快そうに室の内を歩きまわっている。