Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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どうひょう

道標

宮本 百合子

Leggi 道標 (どうひょう) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 846.457 caratteri · 1672 schermate

Aozora Bunko

そして、

「きょうは、すこし早めにひきあげるよ」

と、腕時計を見た。

「河井さんの奥さんとスケートに行く約束してあるから」

「そりゃいいわ。是非おやんなさいよ、奥さんはすべれるの?」

「四年めだっていうんだから、すこしゃすべれるんだろう」

二人のスケート靴を買ったばかりで伸子は入院してしまったのだった。

「はじめ眼鏡はずして練習しないとだめよ、きっと。ころぶのをこわがってるといつまでもうまくなれないから。――どこでやるの?」

「どっか大使館の近くにあるんだとさ、専用のスケート場が……」

「――そんなところでないとこでやればいいのに……」

伸子はいかにも不服げな声を出した。専用スケート場と云えば、リンクのまわりが板囲いか何かで、一般のモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)人は入れないにちがいなかった。

「いっそモスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)河ででもやればいいのに」

快活な冬のスポーツにさえ、専用のかこった場所をもっている外交官生活というものが、モスク※(濁点付き片仮名ワ、1-7-82)という場所柄伸子にはひときわ普通でなく感じられた。伸子は、自分がこうやってねている病院が、あたりまえの大学附属病院で、いろんな女が入院しているのをよかったと思った。