Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
とおのへ
遠野へ
水野 葉舟
Leggi 遠野へ (とおのへ) di 水野 葉舟 (みずのようしゅう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 55.903 caratteri · 117 schermate
あすこにあるちょっと光った低い山の向うに当たる。」
「東かい?」
「いいえ、……(S君は以っての外と言ったように首を振った)西。東はうしろですよ。」
と、くるっと振り返った。
「ヘェ、どうもそうは思われない。」と、自分も振り返った。すると、
「あれがよく話した六角牛ですよ。」と縁から正面に見えた、まるい大きい山を指して、
「あの上がちょうど真東に当たる。」
「あれが六角牛か、なるほど、じゃ早池峰は?」
「早池峰は来た方ですよ。とてもここから見えない。」
この二つの山は、兼てS君が郷里の話をするたびに幾度か聞いて、耳に馴れた名である。
午すこし過ぎた頃になると、空は見る間に灰色の雲が閉してしまった。やがて雪が降りはじめた。日の暮れるころから、風が少し出た。
夜、この村で操人形があると言うので、二人で見に行くことにした。晩餐がすむと、S君の襟巻を借りて、それで頭からスッポリと包んで目ばかり出した。用意ができると、提灯に火をつけて、昨夜はいって来た裏口の方から出た。二人とも、草履を穿いて、ギシギシと、今日降った雪を踏みつけて行く。
畑も、道も一帯に区別がなくなっている雪の中を一條、踏みつけた道ができている。