Classici giapponesi con furigana
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つげびと
野菊の墓
伊藤 左千夫
Leggi 野菊の墓 (つげびと) di 伊藤 左千夫 (いとうさちお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 34.955 caratteri · 71 schermate
「花前の気ちがいぶりもわかってるのだから、すこしも気味のわるいことはないよ、こんどのことはどっちがどうだかわかりゃしない、乳しぼりが牛をだいじにするというのだから、たとえまちがっても憎くはないじゃないか」
細君は、
「そりゃそうですがねい」
とまだふにおちかねたが、主人は、
「あんなにいかいかしいふうをしておっても、しりのぬけてるのが、かわいそうに見えないか、ふびんをかけてやれ」
というのであった。細君の去ったあとで、主人は、おもしろいということのない花前がおこったというのはおかしいなと考えたけれど、その理由は解釈がつかなかった。
はじめて花前に笑わせた下女は、おせっかいにも花前にぜひ象牙のはしの話をさせるといって、いろいろしんせつに世語をしたり、話をしかけたりしたけれど、しろりと笑わせるのが精一ぱいで、それ以上にはなにごとをもえられなかった。もう根がつきたと下女は笑ってる。
かくて水車はますますぶじに回転しいくうち、意外な滑稽劇が一家を笑わせ、石塊のごとき花前も漸次にこの家になずんでくる。
ある日、主人のるすの日であった。警視庁の技師が、ふいに牛舎の検分にきた。