Classici giapponesi con furigana
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つげびと
野菊の墓
伊藤 左千夫
Leggi 野菊の墓 (つげびと) di 伊藤 左千夫 (いとうさちお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 34.955 caratteri · 71 schermate
三
やがて主人は奥に客があるというので牛舎をでた。
三
その夜の晩餐のときに、細君はそろそろこぼしはじめた。
「ねいあなた、人なみでないっち話ではあったけれど、よほど人なみでないようですねい、主人からものをいわれても、なるべくは返事もしたくないというふうですからねえ、あれでどうでしょうかねえ」
「うむ、変人だと承知でおいてみるのだから、いまからこぼすのはまだ早い、とにかく十日か二十日も使ってみんことにはわかりゃせんじゃないか」
「そりゃそうですけれど」
「えいさ、変人のなりがわかりさえすりゃ、その変人なりに使ってやる道があるだろう」
話もそれでおわりになったが、主人はこの花前のことについて考えることに興味を持ってきた。その夜もいろいろと考えた。
かれははじめから変人ではなかったろう。かれがあんなになるについては、かならず容易ならぬ経歴があったにちがいない。それがわかれば、いっそうかれが今日の状態に興味がふかいだろうけれど、わからぬものはしかたがないとして、きょう見ただけでもかれは興味ある変人だ。かれが顔色とかれが風采とに見るもかれがはじめから狂愚でないことはわかる。