Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
てつのしょじょ
鉄の処女
大倉 燁子
Leggi 鉄の処女 (てつのしょじょ) di 大倉 燁子 (おおくらてるこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 20.706 caratteri · 42 schermate
アハハハハハ。して君は一体どなたでしたっけ?』
漸く落付きを取り戻し平静にかえった弟は、静かに私を眺めて姓名を思い出そうとしていましたが、軈てはッとして息を吸い込み、穴の開くように私の顔を見詰めました。今度の驚愕は前の如きものではなく、その大きな眼を一杯に見開き、唇は痙攣して引きつり、低い呻吟くような声が咽喉から押し出されました。
『あッ兄さんだ! 兄さんだ!』
『ウン。僕だよ』
『兄さん!』
彼は危なく卒倒するところでした。それもその道理です。今まで死んだと思い込んでいた人が、突然目の前に現われたのですから、誰だって胆をつぶすのは当然です。
二人は長い間ソファーに倚りかかって話し合いました。たった一人しかない兄弟ですから、たとえ落魄しているとは云え、兄が生きていたということは、大変に弟を喜ばせたようでした。しかし表面は私はもうこの世にない人間になっているので、兄弟だと突然発表も出来ないから、今はこのままにしてそっと別れ、そして一足おくれて次の船でともかくも東京へ帰ったらよかろう。その上で後々の相談にも応じるからという彼の言葉に従って、私はひとまずひきあげました。