Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ぎんさんじゅうまい
銀三十枚
国枝 史郎
Leggi 銀三十枚 (ぎんさんじゅうまい) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 35.863 caratteri · 73 schermate
刑事声には相違ないが、威嚇的の調子は見られなかった。
「不心得をしてはいけないよ」
むしろ訓すような声であった。
「無教育の人間とも見えないが」
刑事は私の足許を見た。
「君、どこに住んでるね」
「市内西区児玉町」
「何だね、一体、商売は?」
私は返事をしなかった。
「ナニ、厭なら云わなくてもいい。君もう家へ帰りたまえ」
刑事は背中を向けようとした。
「僕に家なんかあるものか」
「何イ!」と刑事は振り返った。
「児玉町に住んでいるって云ったじゃアないか!」
「家はあるよ。……だがないんだ」
刑事はしばらく睨んでいた。
「ははあ貴様酔ってるな。……妻君が家に待ってるだろう。……馬鹿を云わずに早く帰れ」
「妻君」と私は肩を上げた。
「妻君は自動車に乗ってったよ」
16
刑事はちょっと考えた。
「ふふん、こいつ狂人だな。……死にたければ勝手に死ぬがいい。だがここは俺の管轄だ。……他へ行ってぶら下るがいい」
「妻君は自動車へ乗ってったよ。たった今だ。紳士とな」
「これは可笑しい」と刑事は云った。
「それじゃアあの女を知ってるのか。俺の狙けてる淫売だが」
「あれが僕の妻君さ」
私は何かに駈り立てられた。