Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.130 caratteri · 288 schermate
「それで」
「お小夜が殺されてから姿を見せないところを見ると、その野郎が一番怪しくなります」
「お小夜は綺麗な女だったのかい」
平次は話題を転じました。
「綺麗というよりは凄い女でしたよ。あっしの逢ったのはもう三年も前だが――」
ガラッ八は話しつづけました。
お小夜は三年前まで三浦屋でお職を張っていたのを、上野の役僧某に請出されて入谷に囲われ、半年経たないうちに飛び出して、根岸の大親分の持物になりましたが、そこも巧みに後足で砂を蹴って、千石取の旗本某の妾になり、三転四転して、有名な立女形中村某の家の押掛女房になったりしていました。
そんな事も、長く続いてせいぜい半年くらい、鮮やかに転身して、音羽に世帯を持ったのはこの春あたり。しばらくは、下女一人猫の子一匹の神妙な暮しをつづけているうち、いつからともなく鉄心道人のところに通い始め、紅も白粉も洗い落して、半歳余りの精進をつづけた後、鉄心道人にその堅固な信心を見込まれ、薪水の世話をするために、別棟ながら、道人の起居する庵室に入ることになったのです。
「ね、親分。勿体ないじゃありませんか」
八五郎はこう言って、額を叩くのでした。