Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.130 caratteri · 288 schermate
四
お染の前もはばからず、親類と雇人が集まって、滅茶滅茶にかき廻され、床も天井も腰張りも、無残に引き剥がされてしまいましたが、大判小判はおろか、鐚銭一枚も出ては来なかったのです。
四
次に引っ張り出されたのは、死んだ主人音次郎の弟で、居候並に扱われている音松という中老人でした。若い時はいくらか様子がよかったらしく、放埒に身を持崩した末五十過ぎてから兄の家に転げ込み、障子も張れば便所の掃除もするといった、恐ろしく気の軽い男で、鼻唄交りにその日その日を暮している札付の放浪者でした。
「兄は何万という金を溜め込んでいるに違いありませんよ。公儀御用を承って日光山の御修復まで引受けたこともある男ですもの」
「それをどこに隠してあるんだ」
平次は少し焦れ込みました。このニヒリストは、話し相手を焦らすのを、話術の玄妙と心得ている質の男です。
「隠した場所が判っていれば、今頃まで放っておくものですか。あの支配人の和七が一番先に取込みますよ。もっとも私だって負けちゃいませんがね、へっへっ」
こういった調子の男は、平次の忍耐力でも長くは付き合いきれません。
三番目に姪のお今、――姪といっても恐ろしく遠い姪で、親類書に載る顔ではありません。