Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.130 caratteri · 288 schermate
「さて、皆の衆。こんな事を言うと驚くかも知れないが、言わなきゃいつまでも皆んなの迷いが晴れまい。実は――」
平次は口を切って、一座を見渡しました。
「…………」
緊張しきった顔と顔、――たぶん平次の口から、二人まで人を殺した恐ろしい下手人の名を聞けるのかも知れないと思っている様子です。
「驚いてはいけない。飯田町の上総屋、――神田から番町へかけても、並ぶ者がないと言われた大分限の上総屋には、気の毒なことに一文の金もなかったのだ」
「…………」
水をブッ掛けたような恐怖と驚愕、一座は顔を見合せました。
「少なくて三万両、五万両、どうかしたら十万両もあるだろうと思わせたのは、上総屋の主人の腕だ。まことは過る年の日光の御修復で下請負の手違いから、工事のやり直しをしたために、十万両からの出費で、上総屋は一文なしになってしまった」
「…………」
「商人は信用を落しては一日も立ち行かない。上総屋はその秘密が知れそうになると番頭を代え、大金をどこかに隠してあると見せかけ、世間にもそう思わせて、苦しい店を今日で張って来たのだ。死んだ後でいくら探したところで、十両と纏まった金が出て来るわけはない。