Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.130 caratteri · 288 schermate
皆んなも、もう床を剥いだり、壁を崩したりするような浅ましい事は止した方がいい。――この平次が、三日がかりで帳面を調べた上、取引先を一軒一軒訊いて廻ったんだから、これは間違いはない。お気の毒だが、上総屋に残るのは、少なからぬ借金だけだ」
恐ろしい失望が、十七八人の顔を暗くしましたが、その間にたった二人、厄介な因縁から解放されて、ホッとした顔を見合せた者があります。
「お嬢様」
仙之助は和七を隔てて、お染に声を掛けました。
「私は、私は――」
お染はさすがに「私は嬉しい」とは言い兼ねましたが、仙之助を顧みたその明るい表情には、幸福感が溢れております。
「御安心なさいまし、お嬢様。お店は私がいいようにいたします。一生懸命になったなら、昔ほどではなくとも、お嬢様をお困らせするようなことはないでしょう」
上総屋が一文なしと決れば、武家方の養子は破談になるのに決っております。今までお染のために宝探しに熱をあげていた仙之助は宝がないと決れば、さすがにこみ上げて来る嬉しさをどうすることも出来なかったのでしょう。
「仙之助はお染と一緒になって、上総屋の身上を盛り返して行くがいい。