Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控(十一)懐ろ鏡 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.130 caratteri · 288 schermate
「小三郎さんは何もかも知っていますが、あの通り正直一徹の人ですから、誰にも言いません」
「すると小三郎とお美乃さんは兄妹になるわけじゃないか」
「いえ、小三郎さんは三文字屋の血を引いた人ですが、私は三文字屋の二度目の嫁の連れ子で、父さんの本当の娘ではございません」
「なるほど、それで久兵衛さんが、小三郎を養子にして、お前と添わせて三文字屋の跡を継がせる気になったのも判る。だが、それだけじゃ、小三郎が無実の証拠にはならない。あの晩――正月五日の晩、小三郎はどこにいたんだ。それが判って、生き証人でもなきゃ、今となっては小三郎が無実と知っても助ける工夫はない」
「小三郎さんは、あの晩、養いの親の浪五郎に逢っていたんです」
「何?」
「浪五郎は若い時から船頭で、幾度も難破したのを、水天宮様を信心して助かったと言って、月の五日の正午の刻には、どこにいても必ず江戸へ帰って来て赤羽橋の有馬様の水天宮様にお詣りをします。小三郎さんはそれを知っていて、月に一度、船の都合では二た月に一度、五日の晩永代の近くに舫っている浪五郎の船へ行って、一と晩泊って来るのを楽しみにしているんです」