Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 157.440 caratteri · 313 schermate
「銭形の親分さんが来て下されば私の家にも後光が射しますよ――おい、これは片づけて、さかづきもさかなも新らしくしてくれ」
五郎八はあわてて膳を押しやると、女房に半分は眼顔で言いつけて、火ばちの側に平次を招じ入れるのでした。
家の中は、外構えよりはまたよくみがき抜かれて、趣味の低さを別にすれば、如何にも住みよさそうです。
「親分さん、まア一つ」
五郎八は杯盤を新にして、まず平次に猪口を差しました。年のころは四十二、三でしょうか、芸人らしくあか抜けのした恐ろしく如才のない男で、眼じりのしわや、チンまりした鼻や、少しはげ上った額など、どんな初対面の人にも、不思議な親しみを感じさせるたちの人間です。
派手な柄の浴衣の胸をはだけて膝ッ小僧をそろえて神妙に坐った恰好は、少しばかりこっけいで、そして痛々しさをさえ感じさせるのです。
「それは後にしてくれ。おれは大急ぎでききたいことがあって来たのだ」
「ヘエ、ヘエ、どんなことでもお話はいたしますが、――さかなの支度が出来るまで、まず一つ、親分さん」
五郎八はさかづきを出したり引っ込めたり、間の悪そうに席を繕うのでした。相対する銭形平次には少しの作為もありませんが、何んとなく儼然として、酒では盛りつぶせそうもなかったのです。