Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 157.440 caratteri · 313 schermate

Aozora Bunko

又も近くなった雷鳴、屋を圧してガラガラガラと過ぎて行くと、続いて二た打ち、三打ち、眼に迫るプラチナ色の稲光り。

部屋はもう空っぽでした。怪しい女は何処へ潜ったか姿も見せず、平次の脚の下には縛られたままのお静が、死んだもののように崩折れているのです。大夕立と匕首と平次の声とに驚いて、思わず気を失ったものでしょう。

平次は半分は手さぐりで、兎も角もお静のいましめを解きました。縛られたままの人間を一人抱えては、何んとしても進退の自在を欠きます。

「お静、確かりしろ」

抱き起すのと、稲妻の光るのと同時でした。わずかに正気付いたお静は、

「あ、お前さん」

恥も外聞も忘れて、夫平次の首筋にひしと抱き付いたまま、唯シクシクと泣き出すのでした。内気なお静には、かつてない悩ましい激情です。

「いい加減にしろ、子供じゃあるめえし」

平次は自分の首っ玉から少しじゃけんに女房のお静を引離しました。

「でも私、本当に殺されるかと思いました――こんなに怖い思いをしたのは、生れてから始めてなんですもの」

お静は自分の激情の爆発を、極り悪そうな笑いで誤魔化しながら、髪の乱れや衣紋の崩れを直しております。