Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 157.440 caratteri · 313 schermate
恐らく超人間的な悪賢い曲者は、老人の死んだ後にここへやって来て、あらゆる証拠をかき消して行ったのでしょう。
「早く、八、表裏の御門を閉めさせるのだ。そして、当屋敷に入った者の名前を調べて来い」
「応ッ」
八五郎は疾風の如く飛び去りました。事件の緊迫した時、骨惜しみをせずに活動するのが、何んといっても八五郎の特色的な良さでした。
「これは、大変なことだな、平次殿」
大橋要人はこうなるとまるっきり無能者でした。
「曲者の正体はすぐわかりましょう。それより老人の手当てが大事ですが」
平次は念のために、与吉老人を抱き上げて、いろいろ手をつくしてみましたが、最早冷たくなりかけて、呼び活かす望みもありません。
「親分わかりましたよ」
「――」
飛んで来たのは八五郎でした。
「今朝ここへ入ったのは、あっし達のほかには、南小田原町の清月の女中だけですよ」
「それだ」
「若くて綺麗な女中が二人で来て、昨夜持ち込んだ岡持や皿小鉢を持って帰ったそうです」
「それだッ」
平次は地団駄踏みましたが、追っつくことではありません。
先手、先手と打って行く相手の機敏さは、いろいろの行き掛りで一手づつ遅れて行く銭形平次を、口惜しがらせるだけです。