Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 157.440 caratteri · 313 schermate
「確かにお楽といったな」
平次はきき返しました。
「お楽に違いありません。二十四、五の白歯で、苦労というものの味を知らないような年増でしたよ。酒が強くて洒落がわかって、気前がよくて色っぽくて――」
「そこへお前は入り込んで、引留めるのを宜いことに、女二人の中で一と晩ムダ話をして来たというのか」
「ヘエ、そりゃ暢気でしたよ。女の癖に世帯の話や米の値なんか、これっぱかしも出ませんよ。呑んで食って、しゃべって、洒落のめして、謎々からジャン拳まで――」
「それはもう聴いたよ、――ところで八」
「ヘエ」
「考えてみると、あのお銀というのは、おれの女房の命の恩人だ」
「ヘエ」
「昨夜はツイ蟲のいどころが悪かったので、引留めもせずに帰してしまったが、今になってようく考えると、それじゃ人間として済まねエわけだ。なア、八」
「ヘエ、そんなもんですかね」
平次の態度の豹変の見事さに、八五郎の方がすこし面食っております。
「お前気の毒だが、もう一度御台所町のそのお楽という女の家まで俺を案内してくれないか」
「ヘエ、親分が行くんですか」
「礼をいわなきゃ気が済まないよ」
「驚いたね、どうも。ヘエ」