Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 157.440 caratteri · 313 schermate
た空気や、お銀のただならぬ表情でも明らかです。
二人は行燈を横に置いて、何時の間にやら穴倉の左右に相対しておりました。
「ところで、お栄」
銭形平次は突然として古い名を呼んだのです。
「え?」
「隠すなお栄。眉を落して歯を染めて、その上一本歯を欠けば大概人相は変るし、声を変えることはお前の一番得手な芸当だが、どう骨を折っても少しも変らないところがあることに気がつかなかったのか」
昔は糀室かなんか、なんの悪意もなく造った地下室でしょう。それを見つけ出して、盗み溜めた宝の隠し場所にしたのは、悪者どもの賢さで、さすがの平次も、自分の家の背中合せに、こんな場所があろうとは夢にも知らなかったのです。
それは兎も角、狭い穴倉の中に二万両の小判と、心細い行燈の灯りをはさんで、お栄のお銀と、銭形平次は相対しました。邪悪な恋と激しい敵意に燃える女の瞳が、かみつきそうに平次に挑みますが、平次は冷たくそれを受けて、相手の出ようを見ているのです。
「お前がお栄だということは、五重の塔の下で見たときは気がつかなかった――俺の恐ろしい手ぬかりだったよ。だが、どう考えても、お栄は生きていなきゃならない。