Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 157.440 caratteri · 313 schermate

Aozora Bunko

明けっ放したままの格子戸の中へ入ると、お静のほうき先を除け除け八五郎はお勝手をのぞくのでした。

「こいつは底が深いよ。急いでもらちは明くまいとみたから、おれはあれから直ぐお数寄屋橋まで飛んで行き、お南の書き役をたたき起して、お奉行所の御記録を調べてもらったよ。家へ入ったのは白々明けさ」

平次は事件の真相を突くために、ほとんど徹夜の調べに立ち合ったのです。

「それで、あの樽拾いの小僧を殺した奴がわかりましたか、親分」

「お前はまた、大層小僧殺しに力瘤を入れるじゃないか」

「佐久間町の仁助店まで、死骸を運び込んだら、可哀想でしたよ。母親は貧乏疲れのした四十女で、足手纒いの小さいのが四人、一番上の姉が十七で、手内職をして暮しを立てているが、滅法可愛らしい癖に、袷も帯もボロボロだ。あっしは財布をたたいて香奠を置いて来ましたがね、昨夜ばかりはこの財布にせめて三両でも五両でも入っていたらと、情けなくなりましたよ――穴のあいたのが、五、六枚じゃ、紙に包む張合いもない」

「泣くなよ、八。小遣のないのは平常の心掛けが悪いからだ、――もっともそういうおれだって、財布の中が光っていたためしはないがね」