Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 157.440 caratteri · 313 schermate
本人は芝浜へ出て風に吹かれていたといっていたが、そんなバカなことがあるわけはねえ。ことによる、乞食橋の煙草屋で、だれかと逢引をしていたのだろう、良いことに気がついてくれたよ、八。お前の智慧も満更じゃないね」
「なアに、それほどでもねえが」
「バカだなア、褒めればもうそれだ。自惚れている隙に、一と走り乞食橋まで駆けて行って、煙草屋で訊いて見てくれ。宜いか、大急ぎだぞ――相手は容易ならぬ曲者だ、油断も隙もないぞ」
「合点」
ガラッ八の八五郎は、裾を端折って飛び出しました。残るのは平次のほかに、谷中の菊のほか下っ引が二、三人、それに物好きそうなお山同心と、青蝿のように執拗な弥次馬が二十人ばかり。
八五郎の駆けて行くのを見送って、平次はなおも調べを続けました。宇八の内懐ろから出た財布の中には小判が五枚と小粒が少しばかり。たいした金ではないにしても、高飛びの路用には、差当り不自由のない金です。そのころの物の相場は、伊勢参宮が上下で一両もあれば贅沢過ぎたくらいで、宇八が江戸に踏み留って網の目のような役人の追及を潜って、堂宮に泊っていたのは、何にか深い仔細がなくてはかないません。