Classici giapponesi con furigana
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かぎからぬけだしたおんな
鍵から抜け出した女
海野 十三
Leggi 鍵から抜け出した女 (かぎからぬけだしたおんな) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.188 caratteri · 43 schermate
そして既に危くなったので、彼女は已むなく彼を一発の下に射殺したのだった。しかし街はこのために俄かに厳重な警戒が敷かれ、だんだん調べの結果、犯人として秀蓮尼だということが分り、それがため追跡がいよいよ急になった。僧服を捨て、僕が残していった学生服に着かえ危地を脱走した。そして飛行機に乗って、今朝がた黄風島を抜けだし、先刻当港へついたということだった。
「でも、どうして森虎が犯人である確証が上ったんですか」
と訊くと、彼女は、
「それは、函の中に、彼が殺人に使った薄刃の短剣が血にまみれた儘入っていたのですわ。そして血染の彼の指紋まで出ていましてよ。その上、あの日お父さんの部屋から失せた小函を持っていただけでも怪しいことが分るでしょう」
僕はその言葉を聞いて、あの虫の好かぬ森虎が、亡父の仇敵だったことをハッキリ知って、彼女に感謝した。しかしまだもう一つ腑に落ちぬことがあった。
「一体どうして貴方は、あの小函を探す必要があったんです。また父は、その小函の中にどんな大事なものを入れてあったのでしょう」
彼女はそこですこし照れたらしく唇を噛みながら囁くようにいった。