Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うし

鎧櫃の血

岡本 綺堂

Leggi 鎧櫃の血 (うし) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 48.702 caratteri · 99 schermate

Aozora Bunko

ともかくも江戸の職人をしていて、鰻が嫌いだなどというのはおかしいようだが、おれは鰻を見ただけでも忌な心持になる。と言ったばかりでは判るまい。まあこういうわけだと、叔父が自分のわかい時の昔話をはじめたのです。」

有年の叔父は吉助というのであるが、屋敷を飛び出してから吉次郎と呼んでいた。かれは左官屋になるまでに所々をながれあるいて、いろいろのことをしていたらしい。それについては吉次郎も一々くわしく語らなかったが、この話はかれが廿四五の頃で、浅草のある鰻屋にいた時の出来事である。最初は鰻裂きの職人として雇われたのであるが、ともかくも武家の出で、読み書きなども一通りは出来るのを主人に見込まれて、そこの家の養子になった。そうして、養父と一緒に鰻の買出しに千住へも行き、日本橋の小田原町へも行った。

ある夏の朝である。吉次郎はいつもの通りに、養父と一緒に日本橋へ買出しに行って、幾笊かのうなぎを買って、河岸の軽子に荷わして帰った。暑い日のことであるから、汗をふいて先ず一休みして、養父の亭主がそのうなぎを生簀へ移し入れようとすると、そのなかに吃驚するほどの大うなぎが二匹まじっているのを発見した。