Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ながさきのいんしょう

長崎の印象

宮本 百合子

Leggi 長崎の印象 (ながさきのいんしょう) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.996 caratteri · 28 schermate

Aozora Bunko

――

互に居心地わるく思っていると、もう食事の終りかけに、やっと一人、若いアメリカ人が入って来た。私共は本能的な人なつかしさで、彼が椅子の背を掴んで腰かけるのや、テーブルの下で長い脚を交互に動かしたりするのを眺めた。衝立の陰から、前菜の皿を持って給仕が現れた。辞儀をする。腸詰やハムなどの皿を出す。若いアメリカ人はそれを一瞥したが、フォークを取り上げようともせず、いきなり体じゅうで大きな大きな、涙の滲み出すように大きな伸びをした。

「――ああ、ねぶたいです……」

眠たいのはもう馴れているとでもいうように、給仕は心得た顔つきで前菜をすすめなおした。

――ああ、ねぶたいです……

私共は、一時間ばかりで、また荷物を持ち、ジャパン・ホテルを出た。

一風呂浴び、三十分程仮寝をすると、Yは、

「ああ、やっとせいせいした」

と云いながら元気に目を覚した。その声で、私も目を開いた。時間にすれば、僅三時間足らずの前に経験したばかりのことだのに、この福島屋の長崎港を見渡す畳の上で目がさめた瞬間、ジャパン・ホテルに行ったのが、いつか遠い昔のような気持がした。Yも、同じような気持がしたらしい。